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海に出て木枯帰るところなし

海に出て木枯(こがらし)帰るところなし

冬になって吹く、あの冷たい「木枯らし」も、どんなに荒れ狂っていたとしても、そのまま海へ出てしまえば漁師さんでも無い限り、町の人々からみれば、もはや忘れ去られ、消え去ったも同然である。

太平洋戦争の敗色が日に日に濃くなってきた昭和十九年の作で、作句時の心情を誓子は「海に出たが最後、再び還る陸はない。まるで片道のガソリンだけを積んだ特攻機そつくりである。戦争の真最中であつたから、私は特攻機を悼む心を木枯に託したようである」と述べている。

しかし、完成した句には、特攻機もなければ戦争もない。あるのはただ、木枯と海だけである。

木枯らしを「帰るところなし」と否定形で捕らえているが、動いているもの生きているものに安住の地はないと言っているような気がする。人間なら死、木枯らしなら海の果に行かない限り。そこへ行ったら戻れないのだ。そこまで抽象化して考えていいと思う。
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